抱っこで腰が痛い…産後ママの腰痛の原因と対処を解説

抱っこのたびに腰が痛い、それでも抱っこは休めない…とがんばっていませんか?
「抱き上げる瞬間、腰にズキッとくる」
「夕方になると腰が重くて立っているのもつらい」
「痛いけれど、抱っこをやめるわけにはいかない」
産後の腰痛の中でも、抱っこにまつわる痛みは「休めない」のが一番つらいところです。
鹿児島市の当院にも、抱っこによる腰の痛みのご相談が数多く寄せられます。理学療法士の視点から、痛みが出る理由と、抱っこを続けながらできる対処を解説します。
結論:原因は「抱っこ」ではなく、「支える力が戻る前の連続負荷」です
抱っこそのものが悪いわけではありません。産後は妊娠・出産でお腹や骨盤まわりの「支える力」が一時的に落ちている状態です。そこに、日ごとに重くなる赤ちゃんの抱っこが1日何十回も重なるため、腰が代わりに頑張り続けて痛みが出やすくなります。対処の軸は、①腰への負荷を減らす抱っこの工夫と、②支える力を取り戻す運動の2本立てです。
抱っこで腰に負担が集中する理由

①荷物と違い「前で・長時間・繰り返し」抱える
赤ちゃんは体の前で抱えるため、重心が前に引っぱられ、バランスを取ろうと腰を反らせがちです。反り腰の姿勢が続くと、腰の関節や筋肉に負担が集中します。反り腰のクセが妊娠中から残っている方は特に注意が必要です。
②お腹の筋肉が働きにくく、腰で支えてしまう
妊娠中に引き伸ばされた腹筋群はすぐには元の働きを取り戻せません。本来お腹と骨盤まわりで分担するはずの支えを、腰の筋肉だけで肩代わりしている状態になりがちです。
③「抱き上げる瞬間」の動作
床やベッドから前かがみのまま腕の力で抱き上げると、腰へ大きな負荷が一気にかかります。1回は小さくても、1日何十回の積み重ねが痛みにつながります。
④片側抱き・授乳姿勢などの偏り
いつも同じ側で抱く、ソファで前かがみのまま授乳するなど、姿勢の偏りは腰や背中の左右差を作り、痛みを長引かせる要因になります。
産後の腰痛と運動に関する医学的知見

PubMedに収録されたStugeらのランダム化比較試験(2004年・Spine誌)では、産後の骨盤帯痛のある女性に対して、体幹深部と骨盤まわりの個別の安定化エクササイズを行ったグループは、産後2年の時点でも痛み・機能障害が低いまま維持されていたと報告されています。(DOI: 10.1097/00007632-200405150-00021/PMID: 15131454)
また、Davenportらのシステマティックレビュー&メタ解析(2019年・British Journal of Sports Medicine誌、5万人超を分析)では、妊娠中の運動は腰痛・骨盤帯痛の発症そのものを防ぐ効果は確認されなかった一方、妊娠中〜産後早期の痛みの強さを軽くすることが示されています。つまり運動は、つらさを軽くする手段として裏付けがあるということです。(DOI: 10.1136/bjsports-2018-099400/PMID: 30337344)
今日からできる「腰にやさしい抱っこ」の工夫3つ

1. 抱き上げは「膝を曲げて、引き寄せてから」
前かがみのまま腕で持ち上げず、膝を曲げて腰を落とし、赤ちゃんを体に引き寄せてから立ち上がります。腰ではなく脚の力で持ち上げるイメージです。ベッドや台の高さを見直すのも有効です。
2. 「密着させて・高めに」抱く
赤ちゃんと体の間にすき間があるほど、腰への負荷は増えます。おへそより高い位置で密着させ、抱っこ紐は腰ベルトを骨盤にしっかり合わせて使いましょう。左右の抱き替えもこまめに。
3. 抱っこの前後に「30秒リセット」
抱っこの前にひと呼吸おいて骨盤を立て直す、下ろした後に腰をゆっくり左右に揺らす・軽く反らす。負荷の「かかりっぱなし」を区切るだけでも、夕方の重さが変わりやすくなります。※変化には個人差があります。
支える力を取り戻すエクササイズ(1日5回×2セット)
仰向けで膝を立て、両手をお腹に当てます。鼻から吸って、口から細く長く吐きながらお腹を薄くし、吐き切るときに下腹の奥が軽く働く感覚を確かめます。
エビデンスで支持されている「支える筋肉」を呼び覚ます第一歩です。産後1ヶ月健診で問題がないことを確認してから行い、痛みが出る場合は中止してください。
医療機関への相談をおすすめするサイン
- 恥骨や尾てい骨の痛みが強く、歩くのがつらい
- 足のしびれ・力の入りにくさを伴う
- 発熱や悪露の変化を伴う(産婦人科へ)
- 安静にしていても痛みが強い・夜も眠れない
これらは整体の前に医療機関での確認が優先です。当院でも、受診が先と判断した場合は正直にお伝えします。
当院(かごしま整体 心晴)の産後ケア

当院では、病院でのリハビリ経験を持つ国家資格の理学療法士が、姿勢・骨盤の安定性・お腹の筋肉の働き(腹直筋離開の有無を含む)を評価し、がんばりすぎている腰の筋肉をゆるめる施術と、支える力を取り戻すエクササイズを組み合わせます。抱っこの高さや授乳姿勢など、毎日の負荷そのものを減らす工夫も一緒に見つけます。「骨盤が開いて歪む」と煽ることはしません。骨盤矯正の考え方は産後の骨盤矯正の効果と限界で正直に解説しています。※効果には個人差があります。
よくある質問
抱っこで腰が痛いのは、骨盤の歪みのせいですか?
「骨盤が開いて歪んだまま固定される」という説明は正確ではありません。多くは、支える筋肉が働きにくい状態で抱っこの負荷が重なっていることが背景です。支える力を取り戻すことが対処の軸になります。
抱っこ紐は使った方がいいですか?
正しく調整された抱っこ紐は、腕だけで抱くより負荷を分散できます。腰ベルトを骨盤の位置でしっかり締め、赤ちゃんが密着して高めの位置にくるよう調整するのがポイントです。
産後どのくらいから整体を受けられますか?
産後1ヶ月健診で経過に問題がないことを確認されてからのご来院をお願いしています。体調に不安がある場合は、まず産婦人科の主治医にご相談ください。
まとめ:抱っこは休めないからこそ、「負荷の減らし方」と「支える力」を
抱っこによる腰痛は、支える力が戻る前に連続する負荷が重なることで起こりやすくなります。膝を使った抱き上げ・密着して高めの抱っこ・前後の30秒リセットで負荷を減らしつつ、呼吸から支える筋肉を取り戻していきましょう。セルフケアでも痛みが続く場合は、理学療法士が在籍する鹿児島市のかごしま整体 心晴へお気軽にご相談ください。腰痛全般については腰痛のページもご覧ください。
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