腱鞘炎になりやすい人の特徴とは?鹿児島市の理学療法士が解説

手首や親指がズキッと痛む…それ、腱鞘炎のサインかもしれません
スマホを持ち上げた瞬間や、ペットボトルのふたを開けようとした瞬間に、手首や親指の付け根に「ズキッ」とした痛みが走る。
そんな経験はありませんか。
鹿児島市の当院にも、「病院で腱鞘炎と言われたけれど、なぜ自分がなったのか分からない」というお声で来院される方が少なくありません。
腱鞘炎は一部の人だけがなるものと思われがちですが、実際には職業・ライフステージ・普段の体の使い方など、いくつもの要因が重なって起こることが多いものです。理学療法士の視点から、腱鞘炎になりやすい人の特徴と背景を解説します。
結論:腱鞘炎になりやすい人には共通する特徴があります
腱鞘炎になりやすい人には、「手首や指の使いすぎ」だけでなく「肩や姿勢の崩れ」という共通点があることが多いです。手首だけをかばっても、使い方が変わらなければ痛みを繰り返しやすくなります。
早めに自分の特徴に気づき、使い方を見直すことで、次のようなことが期待できます。
- 手首・親指への負担が減り、痛みが軽減する方が多い
- 再発しにくい体の使い方が身につく
- 肩や姿勢まで含めた根本的なケアができる
※効果や変化には個人差があります。
腱鞘炎になりやすい人の特徴チェックリスト

腱鞘炎になりやすいかどうかは、職業・ライフステージ・手や腕の使い方という3つの角度からチェックできます。当てはまる項目が多いほど、意識してケアしていただきたいポイントです。
職業でみるチェックポイント
- 美容師・調理師など、道具を握って細かい作業を繰り返す仕事をしている
- パソコン作業(タイピング・マウス操作)が長時間続く
- 荷物の梱包・仕分けなど、手首をひねる動作が多い
ライフステージでみるチェックポイント
- 妊娠中・産後で、抱っこや授乳の動作が急に増えた
- 更年期の時期にさしかかっている
- 育児中で、抱き上げる・抱っこ紐を使う機会が多い
手や腕の使い方でみるチェックポイント
- スマートフォンを片手で長時間操作することが多い
- 手首を反らせた状態や、小指側に曲げた状態で作業しがち
- 肩をすくめた姿勢や、猫背の状態で作業することが多い
なぜ腱鞘炎になりやすいのか―手首だけが原因ではありません

腱鞘炎は、腱とそれを包む腱鞘の間に摩擦が繰り返し起こることで、炎症や腫れが生じる状態です。特に親指の付け根に起こるものは「ドケルバン腱鞘炎」と呼ばれ、スマホ操作や抱っこ動作との関連が指摘されています。
手首・親指の使いすぎ
手首を反らせながら親指を広げる、つまむといった動作を繰り返すと、腱と腱鞘の摩擦が増え、炎症が起こりやすくなると考えられます。妊娠・産後や更年期はホルモンバランスの変化により、腱や腱鞘がむくみやすい時期であるとも言われています。
肩・姿勢・腕全体の使い方も影響します
当院で理学療法士として評価をしていると、腱鞘炎で来院される方の多くに、巻き肩や猫背姿勢がみられます。肩や肩甲骨がうまく使えていないと、本来は肩や肘で分担する力を手首や指だけで支えることになり、負担が集中しやすくなると考えられます。
肘の外側・内側に痛みが出る場合はテニス肘(外側上顆炎)やゴルフ肘(内側上顆炎)、しびれを伴う場合は手根管症候群との見分けも必要です。首や肩のこりが強い方は首こりが腕の使い方に影響していることもあります。
エビデンス:スマホの使い方と腱鞘炎の関連

PubMedに収録されたAsadらの研究(2024年)では、サウジアラビアの10代200名を対象とした横断研究において、ドケルバン腱鞘炎の検査法であるフィンケルスタインテスト陽性者が67.5%にのぼり、スマートフォンの使用時間とドケルバン病の発症には有意な関連(p=0.008)が確認されたと報告されています。 (DOI: 10.4103/jpbs.jpbs_823_24)
また、Atharらの論説(2025年)では、スマートフォンの過剰使用が手根管症候群やドケルバン腱鞘炎と関連し、重度のスマホ使用者では半数以上が手の痛みや機能低下を訴えたと述べられています。 (DOI: 10.1097/MS9.0000000000003143)
自宅でできるセルフケア3選

1. 手首・親指を休ませる
スマホを持つ手を頻繁に変える、荷物は手のひら全体で支えるなど、手首・親指に集中する負担を分散させる工夫をしてみてください。
2. 前腕・手首まわりのストレッチ
腕を前に伸ばし、手のひらを下に向けて指先を軽く手前に反らせる、または手のひらを上に向けて指先を下に反らせるストレッチを、痛みのない範囲で10〜15秒ほど行いましょう。
3. 手や腕の使い方を見直す
スマホ操作は両手を使う、パソコン作業はひじを机につけて手首の反りを減らすなど、手首だけに頼らない使い方を意識することが負担軽減につながると考えられます。
こんなサインがあれば医療機関への相談を
- 手首や親指に強い腫れ・熱感がある
- 指先にしびれが出ている
- 物をつかむ・握る力が入りにくい
- 安静にしていても痛みが続く、悪化している
- 指が引っかかって動かしにくい(ばね指のような症状)
上記のようなサインがある場合は、自己判断で様子を見続けず、整形外科など医療機関の受診を検討してください。
当院の施術アプローチ―手首だけでなく肩・腕全体から評価します
当院では、国家資格を持つ理学療法士が、手首や親指の状態だけでなく、肩甲骨の動き・姿勢・腕全体の使い方まで含めて評価を行います。鹿児島市内にはデスクワークや育児、美容師などで手をよく使う方が多く、当院にも手首や親指の痛みでご相談いただく機会が多くあります。
手首まわりの緊張を和らげるアプローチに加え、巻き肩や猫背姿勢を整える施術、肩甲骨の動きを引き出すエクササイズの提案を組み合わせ、手首への負担が集中しにくい体の使い方を目指します。
※施術による変化には個人差があります。
よくある質問
腱鞘炎は治りますか?
経過には個人差がありますが、手や腕の使い方を見直し負担を分散させることで、痛みの改善を目指せる方が多くいらっしゃいます。強い腫れやしびれがある場合は、まず医療機関へご相談ください。
腱鞘炎は何科を受診すればいいですか?
一般的には整形外科での相談が基本です。強い腫れ・しびれ・力が入らない症状があれば、早めの受診を検討してください。
腱鞘炎は再発しますか?
手首や親指への負担が同じように続けば、痛みを繰り返しやすいと考えられます。肩や姿勢を含めた体全体の使い方を見直すことが、再発しにくい状態づくりにつながります。
まとめ:腱鞘炎になりやすい人の特徴を知って、早めのケアを
腱鞘炎になりやすい人には、職業・ライフステージ・手や腕の使い方といった共通する特徴があります。手首や親指の使いすぎだけでなく、肩や姿勢、腕全体の使い方が影響していることも少なくありません。
使い方まで見直す機会がなかったという方は、当院にもぜひご相談ください。国家資格を持つ理学療法士が、手首だけでなく肩や腕全体まで含めて評価し、一人ひとりの体の使い方に合わせたケアをご提案いたします。
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