なで肩は肩こりになりやすい?原因と対策を理学療法士が解説

「なで肩だから肩こりがつらい」と感じていませんか?
バッグの肩ひもがすぐにずり落ちる。写真を見ると肩のラインがストンと下がっている。昔から肩こりがひどく、マッサージしてもすぐ戻る。
なで肩の方は「体質だから仕方ない」とあきらめてしまいがちですが、なで肩と肩こりにははっきりした体の仕組みがあります。
そして、その仕組みを知れば対策も見えてきます。この記事では、理学療法士の視点から、なで肩の人が肩こりになりやすい理由と、今日からできるセルフケアを解説します。
結論:なで肩は「首肩の筋肉が引き伸ばされ続ける」状態です
なで肩は、肩が通常より下がっている状態です。首すじから肩にかけての筋肉(僧帽筋上部・肩甲挙筋)は、下がった肩と腕の重みを支えるために常に引き伸ばされながら緊張します。この「伸ばされっぱなしの緊張」が、こりや重だるさの一因になります。肩を支える筋肉を働かせることで、負担の軽減を目指せます。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- なで肩の人が肩こりになりやすい仕組み
- 「揉んでも戻る」理由と、本当に必要なアプローチ
- 受診した方がよいサインと、自宅でできるセルフケア
あなたはなで肩タイプ?チェックしてみましょう
- バッグの肩ひもがすぐ落ちてくる
- 正面から見て、首から肩のラインがなだらかに下がっている
- 肩こりが「首の付け根〜肩の上」に強く出る
- 腕がだるい、重い感じがともなうことがある
- 手や腕にしびれを感じることがある(※この場合は下の受診サインを確認)
なで肩で肩こりになりやすい3つの理由

① 首肩の筋肉が「伸ばされたまま緊張」する
肩の位置が下がると、首すじから肩・肩甲骨につく筋肉(僧帽筋上部・肩甲挙筋)は、その肩と腕の重さを引き上げ続けなければなりません。筋肉は縮んで硬くなるだけでなく、引き伸ばされながら力を出し続ける状態でも疲れてこります。なで肩の肩こりは、この後者のタイプです。
② 腕の重みが常に負担になる
片腕の重さは体重の約6%あります。なで肩では、この腕の重みを支える構造が不利になり、肩を吊り上げる筋肉に負担が集中します。長時間のデスクワークでは、この負担が一日中続きます。デスクワークと肩こりの関係はデスクワークで肩こりになる原因もご覧ください。
③ 揉んでも「支える力」は戻らない
マッサージで一時的に筋肉がゆるんでも、肩を支える筋力や姿勢が変わらなければ、また同じ負担がかかって元に戻ります。なで肩の肩こりで「揉んでも戻る」のはこのためです。硬さをほぐすだけでなく、肩を支える筋肉を働かせることがカギになります。ほぐしても戻る理由は肩こりにストレッチが効かない理由で詳しく解説しています。
事務職の姿勢と肩の筋肉に関する研究

PubMedに収録された、首・肩に症状のある事務職99名を対象とした研究(Vongsirinavarat ら, 2022)では、90%に肩甲骨の動きの異常(スキャピュラ・ディスキネジス)が見られたことが報告されています。さらに、対象者には肩甲挙筋(93%)・僧帽筋上部(98%)といった、肩を支え・引き上げる筋肉の硬さが高い割合で見られ、小胸筋の硬さはほぼ全員に認められました(DOI: 10.1080/10803548.2021.2018855)。
この研究が示すのは、首肩の症状は「肩まわりの筋肉の状態」と「肩甲骨の動き」に深く関わっているということです。なで肩で肩を引き上げる筋肉に負担が集中している方は、まさにこの状態に当てはまりやすいと考えられます。だからこそ、筋肉をほぐすだけでなく肩甲骨を正しく支え・動かす視点が大切になります。
医療機関に相談した方がよいサイン
なで肩の方で、次のような症状がある場合は注意が必要です。医療機関を受診してください。
- 腕や手に、しびれ・冷感・だるさが繰り返し出る
- 腕を上げる(つり革・洗濯物を干すなど)としびれ・重だるさが強まる
- 安静にしていても腕や手がしびれる
なで肩は、鎖骨と肋骨の間で神経・血管が圧迫される「胸郭出口症候群」の要因になることがあります。腕のしびれをともなう場合は、胸郭出口症候群(TOS)とはもあわせてご確認ください。
自宅でできる3つのセルフケア

① 肩をすくめて支える力を鍛える(シュラッグ)
両手に軽い荷物(水のペットボトルなど)を持ち、肩をゆっくりすくめて2秒キープ→ゆっくり下ろす。10回×1日2セット。肩を引き上げて支える筋肉に「働く力」を思い出させる運動です。
② 肩甲骨を寄せる運動
両肘を軽く曲げ、肩甲骨を背中の中央に寄せるように後ろへ引いて5秒キープ×10回。肩甲骨を支える筋肉(僧帽筋中部・下部)を働かせ、肩の土台を安定させます。
③ 首すじのやさしいストレッチ
片手を頭に添え、首を斜め前に軽く倒して首すじ〜肩を20秒伸ばします(左右各2回)。引き伸ばされて緊張した筋肉を、痛くない範囲でやさしくゆるめましょう。強く引っ張らないのがポイントです。

当院の施術アプローチ|「ほぐす」だけでなく「支える力」を整えます
かごしま整体 心晴。では、国家資格を持つ理学療法士が、なで肩の肩こりを「硬さ」と「支える力の不足」の両面から評価します。
- 肩・肩甲骨の位置と動きの評価
- 首肩の筋肉の緊張と、肩を支える筋肉の働きのチェック
- 引き伸ばされて緊張した筋肉をゆるめる施術
- 肩を支える力を高めるエクササイズの指導
鹿児島市で「なで肩だから」と肩こりをあきらめている方は、体質のせいにせず、肩を支える力から整えていきましょう。首の症状をともなう方は肩こりの施術ページ・首こりの施術ページもご覧ください。
よくある質問
なで肩は生まれつきだから、肩こりは治りますか?
骨格としてのなで肩は変わりませんが、肩を支える筋肉を働かせることで負担を減らし、こりの軽減を目指すことはできます。「体質だから無理」とあきらめる必要はありません。※変化には個人差があります。
なで肩の人は筋トレをした方がいいですか?
肩を支える筋肉(僧帽筋の中部・下部など)を働かせる運動は有効です。ただし、すでに緊張している僧帽筋上部をさらに使いすぎないよう、正しいフォームで行うことが大切です。
なで肩でバッグがずり落ちるのを防ぐには?
リュックや斜めがけなど、肩ひもだけに頼らないバッグがおすすめです。片方の肩に重い荷物をかけ続けると、左右差やこりの原因にもなります。
まとめ|なで肩の肩こりは「支える力」から整える
- なで肩は肩が下がり、首肩の筋肉が引き伸ばされたまま緊張してこりやすい
- 研究でも、首肩に症状のある事務職の多くに肩を支える筋肉の硬さと肩甲骨の動きの異常が見られる
- 揉んでも戻るのは「支える力」が変わっていないから。肩甲骨を支える運動がカギ
- 腕のしびれをともなう場合は胸郭出口症候群の確認を
なで肩は体質だからとあきらめる前に、肩を支える力を育ててみませんか。マッサージしても戻る肩こりにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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