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かごしま整体 心晴。|店舗情報
かごしま整体 心晴。
〒892-0847
鹿児島県鹿児島市西千石町13-6-101
天文館エリア・高見馬場電停から徒歩5分/鹿児島中央駅から徒歩17分
TEL:070-4066-9879
営業時間:9:00〜20:00
定休日:不定休

腰痛のマットレスは硬い?柔らかい?研究が示した答え

マットレスの硬さと腰痛の関係について理学療法士が解説
目次

「腰が悪いなら硬い布団で寝なさい」は本当か

腰痛があると、硬めの寝具をすすめられることがあります。柔らかいと腰が沈むから良くない、という説明です。

実際に硬いマットレスに買い替えて、かえって朝がつらくなった、という話も聞きます。

一方で、マットレスの広告では低反発の柔らかいものがよく紹介されています。硬いほうがいいのか、柔らかいほうがいいのか、迷う方は多いと思います。

鹿児島市で整体院を開いている、理学療法士の立切大智です。

この通説には、Lancetに載った二重盲検の比較試験があります。 313名を対象にした、きちんとした設計のものです。

結果は「硬いほうがいい」という通説とは違いました。ただし、そこから「高いマットレスを買うべき」という話にもなりません。

研究が何を比べて、何を比べていないのかを整理します。

結論:硬すぎても、柔らかすぎても良い結果ではなかった

要点は5つです。

  • 硬いマットレスと中程度の硬さを比べた試験で、中程度のほうが良い結果だった
  • 2026年のレビュー(47件)でも、中程度の硬さが、非常に硬いもの・非常に柔らかいものより一貫して良好だった
  • ただし3つの指標のうち1つは、90日時点で有意差がつかなかった
  • 研究が比べたのは硬さだけ。価格・素材・ブランドは比べていない
  • 研究の「中程度」は欧州の規格値。日本の「かため」表示とは対応していない

つまり、「硬ければ腰にいい」は否定されました。柔らかければいい、というわけでもありません。

一方で、「だから中程度の高級マットレスを買えばいい」という結論にもなっていません。 ここを分けて読むのが大事なところです。

「硬いほうがいい」には、もともと裏づけがなかった

欧州標準化委員会のHsスケールによるマットレスの硬さの表し方の図解
研究で使われたHsスケールは1.0が最も硬く、10.0が最も柔らかい。試験では2.3と5.6が比較されました。

Lancetの論文は、冒頭でこう書いています。硬いマットレスは腰痛に良いと一般に信じられているが、この推奨を支持する根拠は欠けている、と。

つまり研究が始まった時点で、「硬いほうがいい」は根拠のある話ではなかったわけです。経験的に言われてきたことでした。

研究では硬さを感覚ではなく規格値で扱っています。欧州標準化委員会のHsスケールというもので、1.0が最も硬く、10.0が最も柔らかいという尺度です。

比較されたのは次の2つです。

  • 硬いマットレス:Hs=2.3
  • 中程度の硬さ:Hs=5.6

ここを数値で決めているのが、この研究の信頼性を支えている部分です。

90日後に何が起きたか

Lancetの試験で中程度の硬さのマットレスが良い結果だったことを示す図解
3つの主要評価のうち2つで、中程度の硬さが有意に良い結果でした。

Kovacsらの研究(Lancet, 2003)の設計です。

  • 慢性の非特異的腰痛がある成人313名
  • 条件は「寝床で腰が痛む」かつ「起床時に腰が痛む」人。放射痛のある人は除外
  • 無作為化・二重盲検・多施設(本人にどちらの硬さかわからないようにしている)
  • 90日後に評価

結果はこうなりました。数字はオッズ比で、1より大きいほど中程度のほうが良かったことを意味します。

| 90日後の評価 | オッズ比 | 95%信頼区間 |

|—|—|—|

| 寝床での痛みの改善 | 2.36 | 1.13〜4.93 |

| 障害度の改善 | 2.10 | 1.24〜3.56 |

| 起床時の痛みの改善 | 1.93 | 0.97〜3.86 |

上の2つは有意差がつきました。 中程度の硬さのほうが良い、という結果です。

論文の結論も「中程度の硬さのマットレスは、慢性の非特異的腰痛がある患者の痛みと障害度を改善する」と書かれています。

朝の腰の痛みについては朝起きると腰が痛い原因と対処法にもまとめています。

ここは正直に書いておきます

マットレス研究の限界と解釈の注意点を示す図解
すべての指標がきれいに揃ったわけではありません。読み方には注意が必要です。

結果は一方向に揃っていません。

起床時の痛みは、90日時点では有意差がつかなかった

表の3つめ、起床時の痛みの信頼区間は0.97〜3.86です。下限が1を下回っています。

信頼区間が1をまたぐとき、「差がない可能性を否定できない」という意味になります。オッズ比1.93という数字だけ見ると効いているように見えますが、この項目は統計的に差があるとは言えません。

期間全体で見ると、有意だった項目が入れ替わる

90日時点ではなく試験期間を通して見た解析では、結果が変わります。

  • 起床時の痛み:p=0.008(有意)
  • 日中の腰痛:p=0.059(有意ではない)
  • 寝床での痛み:p=0.064(有意ではない)

90日時点で有意だった項目が、期間全体では有意でなくなっています。 逆に、90日時点で有意でなかった起床時の痛みが、期間全体では有意になっています。

これは珍しいことではありませんが、「全部きれいに効いた」という結果ではないことは押さえておきたいところです。

「中程度を買えばいい」が実行しにくい理由

ここが実用面で一番の壁になります。

研究の「中程度」は Hs=5.6 という規格値です。一方で、日本の店頭やネットで見る「かため」「やわらかめ」「高反発」「低反発」といった表示は、この尺度と対応していません。

メーカーごとの独自基準です。 ある会社の「ふつう」が別の会社の「かため」に当たることもあります。

つまり「中程度が良い」という研究結果を、売り場でそのまま適用する方法がありません。 これは研究の欠点ではなく、商品表示の側の問題です。

そしてもう一つ、はっきりさせておきたい点があります。

この研究が比べたのは硬さだけです。 価格も、素材も、ブランドも、コイルの種類も比べていません。高価なマットレスが腰痛に良いという根拠には、この研究はなりません。

レビュー2本も、同じ方向と同じ限界を示しています

マットレスについては、文献をまとめたレビューが複数あります。

2021年のレビュー(J Orthop Traumatol)は、2019年までの39件を対象にしたものです。結論は「中程度の硬さが快適性・睡眠の質・脊柱のアライメントを促す」というものでした。

ただしこのレビューは、本文の中で「マットレスの種類について、文献の知見は一致していない」と明記しています。

2026年のレビュー(同誌)は、1999年から2023年までの47件をまとめたものです。こちらも中程度の硬さが very firm や very soft より一貫して良好だったとしています。

ただし限界の記載が具体的です。

  • 素材・評価指標・追跡期間・参加者の特性のばらつきが大きく、メタ解析ができなかった
  • エビデンスレベルはIII(オックスフォード2011年の分類)
  • 体格・年齢・性別による体型差・好む寝姿勢・温熱の快適さも考慮すべき
  • 自動調整するマットレスは有望だが、推奨するには更なる試験が必要

20年以上の文献を47件集めても、数字をまとめられるほど条件が揃っていない。 これが現状です。

「中程度が無難」は言えます。「この硬さが正解」とまでは、まだ言えません。

自分でできること

商品のスペック表より、自分の体で確かめられることのほうが頼りになります。

  • 寝返りができるか。 沈み込んで寝返りに力が要るマットレスは、同じ姿勢が続きやすくなります
  • 起床時に痛むかどうかを記録する。 研究の評価項目も「寝床での痛み」と「起床時の痛み」でした。自分の指標として使えます
  • 試し寝をする。 数分横になるだけでも、沈み方の違いはわかります
  • 返品できる条件を先に確認する。 合わなかったときに戻せるかが一番の保険です
  • 買い替える前に、上に敷くもので調整してみる。 硬すぎるなら薄い敷きパッド、柔らかすぎるなら下に板を入れる方法もあります
  • 枕も一緒に見る。 マットレスが変わると首の角度も変わります

寝る姿勢そのものについては仰向けで寝ると腰が痛い原因、寝方とマットレスの付き合い方は側弯症の寝方|寝る姿勢とマットレスの付き合い方にまとめています。

医療機関へ行くべき場合と、当院で対応できる場合

腰痛で医療機関への相談が必要な場合と整体で対応できる場合の切り分けを示す図解
まず切り分けが必要です。寝具の話はそのあとになります。

腰痛の背景には、寝具と関係のないものもあります。まず切り分けてください。

まず医療機関へ

  • 安静にしていても痛みが強くなっていく
  • 体位に関係なく、夜間痛が続く
  • 原因のはっきりしない体重の減少がある
  • 発熱を伴っている
  • 足に力が入らない、つまずくようになった
  • お尻や股のまわりの感覚が鈍い、尿が出にくい
  • がんの既往がある
  • 転倒や衝突のあとに、急に強い痛みが出た

診断をつけるのは医師です。 寝具を変えて様子を見続けないでください。

当院で対応できること

一方で、次のような場合は寝具だけの問題ではないことが多く、評価して対応できる範囲です。

  • 画像では異常がないのに、朝の痛みが続いている
  • 寝具を変えても、起床時の痛みが変わらなかった
  • 病院で「様子を見ましょう」と言われたまま変化がない
  • 日中の座り方や動作に、腰へ負担が集まっている心当たりがある

起床時の痛みは、寝ている間だけで決まりません。 日中の体の使い方が、朝の状態に出ていることがあります。

かごしま整体 心晴。のアプローチ

鹿児島市の当院では、マットレスや寝具の販売はしていません。特定の商品をおすすめすることもしていません。

当院で行っているのは、理学療法士による姿勢・関節の動き・筋肉の使い方の評価です。朝に痛みが出る方では、寝ている間の姿勢だけでなく、日中の座り方や体の使い方が関わっていることがあります。

寝具を変えれば腰痛が解決する、という説明はしていません。 研究が示しているのは、硬さの違いで結果に差が出たというところまでです。

腰痛全般の考え方は慢性腰痛の原因と整体でのアプローチにまとめています。

よくある質問

Q. 腰痛には硬いマットレスがいいのですか?

Lancetの二重盲検試験では、硬いマットレス(Hs=2.3)より中程度の硬さ(Hs=5.6)のほうが、寝床での痛みと障害度の改善が良い結果でした(Kovacs 2003)。「硬いほうが良い」という通説は、この試験では支持されていません。

Q. 高いマットレスのほうが腰にいいのですか?

この研究が比べたのは硬さだけで、価格・素材・ブランドは比べていません。高価であることが腰痛に良いという根拠には、この研究はなりません。

Q. 「かため」と書かれていれば中程度ですか?

研究の硬さは欧州標準化委員会のHsスケールという規格値です。日本の「かため」「ふつう」といった表示はメーカーごとの独自基準なので、対応していません。表示だけでは判断できないため、試し寝と返品条件の確認をおすすめします。

Q. マットレスを変えれば腰痛は改善しますか?

寝具は要素の一つです。2026年のレビューでは47件の文献を集めてもばらつきが大きくメタ解析ができず、エビデンスレベルはIIIとされています。中程度の硬さが無難と言える段階で、これで解決すると言える段階ではありません。

Q. 低反発と高反発はどちらがいいですか?

この点を直接比べた結論は、今回調べた範囲では確認できませんでした。研究で扱われているのは硬さであって、素材の方式ではありません。沈み込んで寝返りがしにくいかどうかを基準に選ぶのが現実的です。

まとめ:硬さの通説は崩れた。商品選びの答えは出ていない

  • 硬いマットレスと中程度を比べた二重盲検試験で、中程度のほうが良い結果でした
  • ただし3つの指標のうち起床時の痛みは、90日時点では有意差がつきませんでした
  • 期間全体の解析では有意だった項目が入れ替わっています
  • 研究が比べたのは硬さだけで、価格・素材・ブランドは比べていません
  • 研究の「中程度」は欧州の規格値で、日本の「かため」表示とは対応していません
  • 47件を集めたレビューでも、ばらつきが大きくメタ解析はできていません
  • 横になると痛む、夜間に目が覚める場合は医療機関へ相談してください

「硬いほうが腰にいい」は、研究では支持されませんでした。 ここははっきりしています。

ただし「正解の硬さ」も、まだ決まっていません。 買い替えを考えるなら、スペック表よりも、試し寝と返品条件、そして寝返りができるかどうかを見るほうが確かです。

朝の痛みが続く方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

Kovacs FM, Abraira V, Peña A, et al. Effect of firmness of mattress on chronic non-specific low-back pain: randomised, double-blind, controlled, multicentre trial. Lancet. 2003;362(9396):1599-1604. doi:10.1016/S0140-6736(03)14792-7(PMID: 14630439)

Caggiari G, Talesa GR, Toro G, Jannelli E, Monteleone G, Puddu L. What type of mattress should be chosen to avoid back pain and improve sleep quality? Review of the literature. J Orthop Traumatol. 2021;22(1):51. doi:10.1186/s10195-021-00616-5(PMID: 34878594)

Gianfilippo C, Filippo P, Stefano P, et al. Mattress impact on lifestyle and back pain: a 25-year orthopedic literature review guideline. J Orthop Traumatol. 2026;27(1):53. doi:10.1186/s10195-026-00945-3(PMID: 42432412)

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