足首が上がらない?腓骨神経麻痺の原因と対処|理学療法士解説

足首が上がらない・スリッパがよく脱げる…それは神経からのサインかもしれません
「歩いているとつま先が引っかかる」
「スリッパがやたらと脱げる」
「すねの外側から足の甲がしびれる」
そんな症状に心当たりはないでしょうか。長時間の正座や脚組みのあとに足首が上げにくくなった場合、腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)の可能性があります。
下肢では最も起こりやすい神経の圧迫トラブルのひとつです。理学療法士の視点から、原因と対処の道筋を解説します。
結論:まず整形外科へ。回復の経過を支えるのが整体の役割です
最初にはっきりお伝えします。急に足首が上がらなくなった場合は、整体より先に整形外科(または神経内科)の受診が最優先です。
神経がどこで・どの程度傷んでいるかの診断は医療機関にしかできず、対応が早いほど回復に有利とされています。
そのうえで、圧迫の原因となった姿勢・生活習慣の見直しや、回復期の筋力・歩行のサポートは、理学療法士が力になれる領域です。
腓骨神経麻痺の症状チェック
- 足首を上(すね側)に反らす力が弱い・上がらない
- 歩くとつま先が引っかかる・ペタペタと足音が大きくなった
- スリッパ・サンダルが片足だけよく脱げる
- すねの外側〜足の甲にしびれ・感覚の鈍さがある
- 長時間の正座・あぐら・脚組みのあとに症状が出た
- ギプス固定のあと、ダイエットで急に痩せたあとに気づいた
複数当てはまる場合、腓骨神経に負担がかかっている可能性があります。ほとんどが片足だけに出ます。
なぜ「膝の外側」で神経が圧迫されやすいのか

骨のすぐ上を神経が通る、体の中でも無防備な場所
腓骨神経は、坐骨神経から枝分かれして腓骨頭(膝の外側にある骨の出っ張り)のすぐ表面を通ります。皮膚と骨の間にクッションが少なく、外からの圧迫にとても弱い場所です。
日常にひそむ圧迫の原因
- 長時間の正座・あぐら・横座り(法事や式典のあとに多い)
- 脚組みのクセ(上の脚の膝外側が圧迫され続ける)
- 急激な体重減少(神経を守る脂肪のクッションが減る)
- ギプス・装具・きつい着圧ソックスなどによる圧迫
- 横向き寝・入院中の同一姿勢
正座後の一時的なしびれは誰にでもありますが、長時間・繰り返しになると、しびれが抜けにくくなったり、足首を上げる力が入りにくくなったりすることがあります。似た症状が腰の神経から起こることもあり、脊柱管狭窄症や坐骨神経痛との見分けには医療機関での検査が必要です。
腓骨神経麻痺に関する医学的知見

PubMedに収録されたPoageらのレビュー(2016年・Journal of the American Academy of Orthopaedic Surgeons誌)では、腓骨神経麻痺は下肢で最も頻度の高い絞扼性(圧迫による)神経障害であり、圧迫の好発部位は腓骨頭のレベルであると報告されています。また、多くの患者は活動の調整・装具・理学療法・薬物療法といった保存的な対応で改善が期待でき、改善しない例や腫瘤による圧迫例などに手術が検討されるとされています。(DOI: 10.5435/JAAOS-D-14-00420/PMID: 26700629)
つまり、早めに原因の圧迫を取り除き、適切な保存的ケアにつなげることが回復への近道と考えられます。
すぐに医療機関を受診すべきサイン
- 足首・足指を上げる力が明らかに弱い、または全く上がらない(発症からの時間が診断・回復に重要です)
- しびれや感覚の鈍さが数日たっても改善しない
- つまずき・転倒が実際に起きている
- 腰痛や お尻から太ももの裏の痛みを伴う(腰由来の可能性)
- 糖尿病をお持ちの方のしびれ(神経障害の評価が必要です)
整形外科では神経の状態を調べる検査や装具の処方が行われます。当院に先にご相談いただいた場合も、これらのサインがあれば受診を優先してご案内します。
回復期にできるケアと再発予防

1. 圧迫の原因を生活から取り除く
脚組みをやめる・正座を長時間続けない・横向き寝で膝の外側が圧迫されないようにする。原因が続く限り回復は遅れるため、ここが最優先です。
2. 足首の運動で「動かす感覚」を保つ(主治医の許可のもとで)
椅子に座り、かかとを床につけたままつま先をゆっくり上に反らせて3秒キープ×10回。力が入りにくい時期は手で軽く介助しても構いません。関節の硬さを防ぎ、回復に合わせて筋肉が働ける状態を保ちます。※主治医の方針を優先してください。
3. つまずき・転倒への備え
回復までの期間は、スリッパを避けてかかとのある靴を履く、床の段差やコード類を片付けるなど、転倒予防の環境づくりも大切です。
当院(かごしま整体 心晴)のサポート

鹿児島市の当院では、病院でのリハビリ経験を持つ国家資格の理学療法士が、医療機関での診断・経過観察と並行して回復期をサポートします。
足首まわりの硬さの予防、回復段階に合わせた歩き方の練習、「なぜ圧迫が起きたのか」という座り方のクセの見直しまでお手伝いします。※施術は神経の回復を速めるものではなく、回復しやすい条件を整えることが目的です。
よくある質問
腓骨神経麻痺は治りますか?
圧迫が原因の場合、原因を取り除いたうえでの保存的な対応で多くの方に改善が期待できると報告されています。ただし回復の期間・程度は神経の傷み方で大きく異なるため、まず医療機関での評価が大切です。
正座のあとのしびれと、何が違うのですか?
正座後の一時的なしびれは数分で回復します。しびれが数時間〜数日残る、足首を上げる力が弱いままという場合は神経がより深く傷んでいる可能性があり、早めの受診をおすすめします。
病院のリハビリと整体、どちらに行けばいいですか?
診断と急性期の対応は医療機関が最優先です。リハビリ終了後の体づくりや再発予防の生活改善は当院でもサポートできます。併用時は主治医の方針を優先してください。
まとめ:足首の「上がりにくさ」は放置せず、早めの受診と生活の見直しを
腓骨神経麻痺は身近なきっかけで起こる一方、対応が早いほど回復に有利とされる症状です。「つま先が引っかかる」に気づいたら、まず整形外科で状態を確認し、圧迫の原因となる生活習慣を見直しましょう。回復期の体づくりは、理学療法士が在籍する鹿児島市のかごしま整体 心晴へお気軽にご相談ください。足の痛みについては足底筋膜炎の記事もご覧ください。
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