梅雨にだるい・眠いのはなぜ?気圧や湿度との関係と対処法を理学療法士が解説

梅雨になると体が重くなる…それ、あなただけじゃありません
「梅雨に入ったとたん、体がだるくて何もできない」「十分寝たはずなのに一日中眠い」「やる気が出ないのを怠け癖のせいにしてしまっている」——そんな声を、当院でもこの時期によく耳にします。
鹿児島市は梅雨の期間が長く、6月から7月上旬にかけて曇りや雨が続く日が多くなります。この時期に倦怠感や眠気を訴えて来院される方は、例年ほかの季節より増える印象があります。
だるさの原因は「気合いが足りない」のではなく、気候の変化に伴うれっきとした身体的な反応であることが、さまざまな研究で示唆されています。
このページでは、梅雨のだるさ・眠気が起こる仕組みと、今日から取り組めるセルフケアをまとめました。
なお、天気痛・気象病の全体像については天気痛・気象病とは?仕組みと種類・対処法まとめもあわせてご参照ください。
梅雨にだるい・眠いのはなぜ?結論からお伝えします
梅雨のだるさは、気圧・湿度・気温の変化が重なることが一因と考えられています。気圧変化を内耳が感知することや、高湿度による体温調節の負担増加、日照時間の減少などが複合的に影響する可能性が示唆されています。ただし原因は一つではなく、睡眠の質の低下や活動量の減少も大きく関わります。
この記事を読むと、次の3点がわかります。
- なぜ梅雨の時期だけこんなにだるく・眠くなるのか
- 生活の中でだるさを強めてしまっている要因
- 今日から実践できる対処法・セルフケア
梅雨にだるくなる3つの仕組み

気圧・湿度・気温の変化が重なる時期
梅雨は気圧が低い状態が続き、さらに気温や湿度の変動も大きくなりやすい時期です。
気圧が変化すると、内耳にある気圧センサーがその変化を感知すると考えられており、これが身体に何らかの負担をかける一因と示唆されています(詳しい仕組みは天気痛・気象病の親記事をご参照ください)。
重要なのは、梅雨は「気圧が低い日が断続的に続く」点です。一時的な気圧変化と違い、何日もだるさが抜けない状態が続きやすいのはこのためと考えられます。
湿度の高さと体温調節の負担
高温多湿の環境では、汗が蒸発しにくくなります。
体は体温を一定に保つために汗をかきますが、湿度が高いとその汗が蒸発しにくく、体温調節にエネルギーを余分に消費することになります。
これが「何もしていないのに疲れる」「体が重だるい」という感覚につながる可能性があります。
梅雨のむくみも、この湿度による体温調節や水分代謝の乱れと関連すると言われています。
日照不足と気分・睡眠への影響
梅雨の時期は晴れの日が減り、日光を浴びる時間が自然と少なくなります。
日照と気分・睡眠リズムの関係については多くの研究が行われており、日照不足が睡眠のリズムに影響する可能性が示されています。
ただし、日照時間と気分の関係は研究されていますが、個人差が大きく、日照だけで説明できるものではありません。「晴れの日はいつも元気」「雨でも気にならない」という方がいる一方で、影響を強く感じる方もいます。
だるさを強める「生活の落とし穴」4つ
睡眠の質の低下
梅雨の蒸し暑さは、夜の睡眠に影響しやすいです。
湿度が高いと寝苦しさで眠りが浅くなり、翌朝に「寝た気がしない」「頭がぼんやりする」という状態になりがちです。睡眠不足が続くと日中のだるさや眠気はさらに強まります。
梅雨の眠れなさが気になる方は、睡眠と身体の緊張(自律神経と不眠)の記事もあわせてご覧ください。
室内で過ごす時間が増える
「雨だから今日は外出をやめよう」という選択は自然なことですが、梅雨は外に出ない日が続くことで、気づかないうちに活動量が大幅に落ちてしまいます。
「家でゆっくりしているのになぜかだるい」という感覚は、実は活動量の低下が一因であることが少なくありません。
活動量の低下とだるさの悪循環
「だるいから動けない → 動かないからだるくなる」という悪循環に陥りやすいのが梅雨の特徴です。体を動かさないと血流が低下し、筋肉のポンプ機能も落ちるため、むくみやだるさを助長する可能性があります。
首肩のこりと呼吸の浅さ
室内で長時間同じ姿勢でいると、首肩が緊張しやすくなります。
首肩のこりは呼吸を浅くする一因にもなり、酸素の取り込みが減ることで倦怠感が増す可能性があります。首肩のこりと呼吸の関係については、肩こりと呼吸の関係で詳しく解説しています。
梅雨の時期は頭痛を感じる方も多いです。頭痛が気になる方は雨の日に頭痛が起こる原因と対処法もご参照ください。
研究ではどう言われている?
【医学的根拠】
Akaishi T et al. (2023) が健診受診者133名を対象に行った観察研究によると、悪天候で何らかの身体症状を感じると回答した人は約32%(一般人口では25〜40%という報告もある)にのぼりました。症状の内訳は頭痛(67%)・腰痛(21%)・倦怠感(19%)の順で多く、症状が出やすい年代は30代でピークを迎えることも示されています。
また、症状を感じる人ほど、刺激への敏感さや睡眠の質の低下スコアが有意に高いことも報告されています。
出典: Akaishi T et al. Cureus. 2023;15(12):e50642. DOI:10.7759/cureus.50642
梅雨は誰にとっても体に負担がかかりやすい時期です。「気合いで乗り切るもの」と思わず、睡眠・軽い運動・首肩のケアで身体を整えることを優先してほしいと思います。特に30代は影響を受けやすい世代と示されており、自分を責めないことが大切です。(院長・理学療法士 立切大智)
梅雨のだるさへの対処法・セルフケア
睡眠の質を整える(最優先)

梅雨のだるさ対策で最初に取り組んでほしいのが睡眠環境の改善です。
- 寝室を除湿・エアコン除湿モードで60%以下の湿度に保つ
- 就寝1時間前からスマートフォンの使用を控える
- 起床・就寝時間をできるだけ一定に保つ
生活リズムを整える工夫
日照が少ない時期は、意識的に光を浴びる習慣が役立つ場合があります。
- 朝起きたらカーテンを開け、外の光(曇りでも効果あり)を目に入れる
- 食事の時間をなるべく一定にする
- 雨でも短時間の外出・散歩を取り入れる
軽い運動で活動量を保つ

「だるいから動けない」という悪循環を断つためには、強い運動でなくていいので体を動かす習慣が助けになります。
- 室内での足踏み・スクワット(10〜15回)
- ふくらはぎを動かす踵の上げ下げ(むくみ対策にも)
- 雨が止んだ短い時間に5〜10分の外出
首肩をゆるめる・深い呼吸の習慣
室内でじっとしている時間が長い梅雨こそ、首肩のストレッチと腹式呼吸が有効です。
- 耳を肩に近づけるように首を横に傾ける(左右各20〜30秒)
- 鼻から4秒吸って、口から8秒ゆっくり吐く腹式呼吸を1日3セット
- 肩を大きく後ろに回して肩甲骨を動かす(10回×2セット)
こんな症状が続く場合は医療機関へ
⚠️ だるさは天気以外が原因のこともあります
貧血・甲状腺機能の異常・感染症・睡眠時無呼吸症候群・うつ症状など、だるさを引き起こす原因は多岐にわたります。以下に当てはまる場合は、早めに医療機関にご相談ください。
- 発熱を伴うだるさ
- 急激な体重の減少がある
- 強い息切れ・動悸を感じる
- だるさ・倦怠感が数週間以上続いている
- 気分の落ち込みや意欲の低下が続いている(心の不調が関係している可能性もあります)
整体は身体的な緊張や姿勢へのアプローチを行いますが、診断は医療機関の役割です。迷った場合はかかりつけ医にご相談ください。
当院(かごしま整体 心晴。)での身体ケアアプローチ

当院では「梅雨のだるさを施術で治す」とはお伝えしていません。だるさの根本は気候という外的要因であり、整体でコントロールできるものではないためです。
一方で、だるさを強めている身体的な要因——首肩の緊張・姿勢の乱れ・呼吸の浅さ——にはアプローチできます。梅雨の時期に「動きにくさ」「重さ」「眠気」を感じる方の多くは、筋肉の緊張や姿勢の問題が重なっていることが少なくありません。
理学療法士の資格を持つ院長が、身体全体の動きを評価したうえで、梅雨の時期に特に緊張しやすい首・肩・胸まわりへのアプローチと、ご自宅でできるセルフケアの指導を行っています。
当院は鹿児島市の天文館エリア・高見馬場電停から徒歩5分の場所にあります。梅雨の時期のだるさや身体の重さが気になる方、お気軽にご相談ください。めまいが気になる方は雨の日のめまいについての記事もご参照ください。
まとめ
- 梅雨のだるさは、気圧・湿度・日照不足・睡眠の質低下・活動量減少などが複合的に影響する可能性があります
- 「気合いが足りない」ではなく、身体的・環境的な負荷による反応として捉えることが大切です
- 睡眠環境の整備・朝の光・軽い運動・首肩のストレッチが、セルフケアの基本となります
梅雨のだるさは病気ですか?
多くの場合は一時的な体調の変化であり、病気ではありません。ただし、強い倦怠感が数週間以上続く場合は、貧血・甲状腺・うつ症状など別の原因が関わっている可能性もあります。長引く場合は医療機関にご相談ください。
梅雨にだるくなるのはなぜですか?
気圧・湿度・気温の変化や日照不足、睡眠の質の低下、活動量の減少などが重なることが一因と考えられています。複数の要因が同時に影響しているため、「梅雨だから仕方ない」と感じやすいのはこのためです。
だるさを和らげるには何が効果的ですか?
睡眠環境の整備(除湿・起床就寝時間の固定)、朝に光を浴びる習慣、室内でも行える軽い運動、首肩のストレッチと深い呼吸などが役立つ場合があります。できることから一つずつ取り入れてみてください。
梅雨の眠気がひどくて困っています
日照不足による睡眠リズムの乱れや、寝苦しさによる睡眠の質の低下が関わる可能性があります。寝室の除湿・就寝前のスマホ控え・朝のカーテンを開ける習慣から試してみてください。
雨の日に頭痛もあります
梅雨の時期は頭痛を感じる方も多い傾向にあります。気圧変化と頭痛の関係や対処法については、雨の日に頭痛が起こる原因と対処法をご参照ください。
梅雨が明ければ自然に良くなりますか?
天候が落ち着くことで軽減される方も多いですが、梅雨中に積み重なった睡眠不足や運動不足が続いている場合は、梅雨明け後もだるさが残ることがあります。セルフケアを続けながら様子を見てください。
だるさが何週間も続いています
数週間以上続く強い倦怠感は、貧血・甲状腺機能の異常・うつ症状・睡眠時無呼吸症候群など、天気とは別の原因が関わっている可能性があります。早めにかかりつけ医や内科・心療内科にご相談ください。
